自分ノート

~自戒と教訓の旅~

譲り合い【ふとした・ダイアリー 第2号】

その日は、1日中歩きっぱなしで疲れていた。家を出た時は、小さく萎んでいた私のリュックも、帰りの電車に乗る時にはパンパンに膨れ上がっていて、かなりの重さになっていた。駅に帰りの電車がやってきて、私はそれに乗った。席が空いていたので、迷うこと無くそこに座り、重いリュックを抱っこした。電車が帰路に沿って走り始めた。いくつか、途中の駅で止まっていた時、私は子連れの親子と出会った。お父さんは赤ちゃんの居るベビーカーを押していた。お母さんは片手に赤ちゃん、片手に小さい男の子と手を繋いでいた。その姿を見た私は「あの人達に自分の席を譲ろう」と思った。だけど、それと同時に、こう自分の中にある何かが、その素直な気持ちを邪魔した。私が1人、頭の中で葛藤を繰り広げている間に、その親子連れは少し遠くへ行ってしまった。すると、その近くに座っていたおじさんが、迷うこと無く立ち上がり、そのお母さんに席を譲った。お母さんは、最初は断ったが、おじさんに勧められて、何度もおじさんに感謝して席に座った。そのおじさんは、私には出来なかった事を平然とやってのけた。私は少し自分を責めた。

すると、ふとあることを思い出した。今日、昼に参加したセミナーで、部屋の前方までプリントを取りに行く場面があった。当然、プリントを取る為の列が出来たのだが、その列は2つあった。私がプリントを取ろうとした時、ふと別の列の人に目がいった。その列はもうその人1人だけだったから、私はその人に取る順番を先に譲った。

そう思うと、今日は1日中歩いて足も痛いし、荷物も重くて疲れたなぁと改めて感じた。あぁ、常に誰かから誰かに譲ったり譲られたりしているんだなぁと気がついた。車窓から眩しい夕日の光が、私の目を細くさせた。次は誰かに譲ってあげよう。今日、誰かに譲ってもらえたのだから。